これまでと、これからと

私の今までと、これからの記録。主に父への片道の手紙です。

その2日前(2014,11,20)

あの夏の日のことは、一生忘れない

私の人生で、最も苦しくて辛かった日


2013年8月10日

 

 

 

その少し前から、嫌な予感はありました

 

 


その2日前、父は、新しく利用することになったデイケアセンターの見学に行ったんです


父の痴呆の症状が進んで(これは後に、痴呆ではないことがわかるのですが)、介護度をワンランク上げて要介護2にしてもらい、利用できるサービスが増えたため、夏の間の熱中症予防に、外に出掛ける機会を作ったのでした


父は東京でひとり暮らしをしていたので、熱中症対策として、なるべくヘルパーさんが家にいたり、デイケアセンターに行ったりと、ひとりだけで家にいる時間をつくらないように、綿密なスケジュールを組んでいました


なんで、そんな状態の親を、ひとり暮らしさせるのか?と、普通は疑問に思いますよね
そのことは、また後々お話します


少人数しか受け入れないアットホームな雰囲気が売りのセンターで、その日は、スタッフがみんなで父の歓迎の料理をふるまってくれるとのことで、私はとても楽しみにしていました


でも、前日になって、私の三男(当時4歳)が熱を出してしまい、同行できなくなってしまったんです
事情を説明して、信頼しているケアマネさんに、父の付き添いを頼みました


父にも、三男が発熱してセンターに同行できなくなったことは、説明してありました


後のケアマネさんの報告では、あまり食が進まなかったようだけど、楽しんでいた、とのことだったので、「そうか、良かった。なら、すぐにでもお世話になりたい」と思ったんです


その日は、デイケアセンターから帰った後、出張で診察して下さる医師の方が初めて父を診てくれた日でもありました


父は持病があったので、通院していたのですが、その通院の負担を減らすため、また、もっとこまめに身体の状態をチェックする必要があったため、医師の方に来てもらうことにしたんです

 

 

異変は、その夕方から始まりました

 


父から、もの凄い剣幕で電話がきたんです


「今日俺をあんな場所に連れて行くことを決めたのは誰だ?おまえか?おまえだろ!! 何をおまえは企んでいるんだ!あんなところで食事なんかさせて。○○(ケアマネさん)とあの店(デイケアセンターのこと)と手を組んで、俺から金を巻き上げるつもりか!! ○○は、ズカズカうちに勝手に上がり込んで、俺を無理やり連れて行きやがって!俺は行きたくなかったのに!!」


「それから、あの医者は何だ!誰が頼んだ?あんな医者も、頼んだ覚えはないから、もう来ないでくれって言ってやったぞ!」


「は? 」


そんな風に勝手な妄想を信じ込んで、ひとりで怒ることは初めてじゃなかったので、始めは「またか」と思っただけでしたが…いつもより妄想が強くて…完全に痴呆が影響しているなと、思ったんです


だって、そのデイケアセンターに行くことも、医師の方が来ることも、父も交えて話し合って決めたことで、事前に、センターの方とも、医師の方とも合ってお話もしていて、父もにこやかに「どうぞよろしくお願いします」って、言ってたんですから


でも、そうなってしまった父は、何を言っても聞いてはくれないので、その日の電話は、あまり強く言わずに、ハイハイと話を聞いて終わらせたんです


そういうことが、すごく増えていたから、私も疲れてしまうっていうこともあって


すると夜になって、今度は、毎日夕飯だけ頼んでいた、食事の宅配サービスの方から、私の携帯に電話がきたんです


「お父様が、呼んでも出てきません!」


慌てて家に電話しても…もちろん、父は出ません。わかってました。怒ると、そうやっていつも連絡さえとれなくしてしまう父だったから


でも、外面がいい父は、家族以外の人に迷惑かけることなんか、なかったのに…


仕方がないので宅配の方には食事を持って帰ってもらって、姉と相談して、翌日、姉が家に様子を見に行くことにしました


そして、そのことを全て、ケアマネさんに報告したら、ケアマネさんも、翌朝に見に行ってくれることになったんです


忙しいのに、抱えている仕事はうちだけじゃないのに、ありがたい…

 

 

そして、翌朝…


8時頃だったでしょうか
毎朝行ってくれていたヘルパーさんから、私の携帯に電話がありました


「お父様が、呼んでも出てこられません」


またか…


仕方ない、もうちょっと様子をみるか…


私たち家族はそう思ったけれど、ヘルパーさんやケアマネさんは、そうは思ってくれません。


「中で倒れてるんじゃないか」


責任がありますからね、あらゆる可能性を考えるのは、当たり前のことです


でも、その後、近所の人も巻き込んだ、ちょっとした騒ぎになってしまったんです

 

 

 


またまた長くなりそうなので、次に続きます

 

 

 


最近、脱線記事ばかり書いていたのですが、ようやく、父のこと、書く気力が湧いてきました
まずは、最も辛かった日のこと、書いていきます


読んでる方が、辛い気持ちになりませんように…

 

 

今日はここまで